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2020.11.30

ウォーキング

ウォーキング前に読みたい本 (地理・歴史好きにオススメ!)

谷根千のイロハの写真

旅先で現地の人に街を案内してもらうと、驚きがたくさんあって足取りが軽くなっている。そんな体験はありませんか?

今回、生まれも育ちも谷根千の作家・森まゆみさんが執筆された地域読本『谷根千のイロハ』をご紹介。実は彼女、谷根千という言葉の生みの親なんです。

本書は、縄文・弥生から始まるディープさで、思わず出かけたくなるトピックスがギッシリつまっています。読んでウォーキングに出かけると、街が違って見えますよ。

 

あらためて、谷根千とは?

谷根千地図

ご存知の方も多いかと思いますが、

“谷根千”とは、谷中(台東区)、根津(文京区)、千駄木(文京区)エリアのこと。

 

このエリア名は森さんが1984年に創刊した地域雑誌『谷中・根津・千駄木』から生まれた言葉。

書籍『谷根千のイロハ』では、谷中、根津、千駄木に加え、西日暮里(荒川区)、田端(北区)の歴史までたっぷりガイドしてくれます。

 

もとは、銀座じゃなくて横丁だった!?

谷根千の階段を下りている人

今回は本書の一部、

JR日暮里駅(北口)近くをピックアップしてウォーキングしました。

 

まずは、テレビや雑誌で紹介されることが多い「夕やけだんだん」。

もとは観光地ではなく、ボロボロの石段だったそうです。

余談ですが、階段をウォーキングコースに取り入れるのはオススメ。

正しい姿勢でウォーキングすると、より効果的な筋力アップになります。

谷中銀座

階下に広がるのは「谷中銀座」。今では観光スポット化していますが、

以前は「惣菜横丁」と呼ばれ、地元の人が夕飯の買い物をする場所だったようです。

 

書籍には、当時の人の息遣いが聞こえてくるような描写があります。

>車が入れない狭い道で、お釣りが足りなければ、前の店に行って崩してくる。

>以前は日掛け貯金などもしていたようで、お互いが支えあっています。

森まゆみ(2020)闇市『谷根千のイロハ』 亜紀書房 (P200)

 

さらに、この道に交差する通りについてこんな内容も。

>これと垂直に交わる「よみせ通り」はもう少し幅が広く、

>昔の藍染川の川筋で、川が暗渠化された大正おわりから、

>夜は露店が出たらしい。昭和三十年代はまだ夜店が出ていたと思いますが、

>いつしか車の邪魔になるということでか禁止されました。

森まゆみ(2020)谷中銀座『谷根千のイロハ』 亜紀書房 (P218)

 

本書には、ここからすぐ近くにある

より当時の暮らしが感じられるスポットも案内されています。

 

戦後直後に生まれた初音小路

初音小路

それは、「夕やけだんだん」より、JR日暮里駅(北口)側にある「初音小路」です。

戦後直後のかなり貴重なもので、なんと木製のアーケード。

もともと日暮里駅前にあったものが移転してきており、

当初は闇市が行われていたそうです。

 

近くには、美術家のアトリエ兼住居だった「朝倉彫塑館」があり、

そちらも森さんのオススメ。

ここでアルバイトするほどお気に入りの場所で、本書には当時のエピソードも。

新進気鋭の彫塑家・朝倉文夫さん(1883-1964)が生きていた頃は、

皇室・女優・横綱も訪れていたというエピソードからも空間の素晴らしさが伺えます。

 

本書は他に、徳川家康や芥川龍之介など教科書に載っている人物から庶民まで、

知名度に関わりなく、そこで生きていた人について鮮やかに描かれています。

街は、人の歴史が積み重なって今に続いている、

そんなことに、改めて気づかせてくれる書籍です。

 

今回は、『谷根千のイロハ』のほんの数ページをお伝えしました。

ぜひ読んでみて、いつもと違った視点でウォーキングしてはいかがでしょうか。

 

 

『谷根千のイロハ』著者紹介

 著者/森まゆみ
1954年生まれ。大学卒業後、PR会社、出版社を経て、84年、地域雑誌『谷中・根津・千駄木』を創刊。聞き書きから、記憶を記録に替えてきた。
その中から『谷中スケッチブック』『不思議の町 根津』(ちくま文庫)が生まれ、その後『鷗外の坂』(芸術選奨文部大臣新人賞)、『彰義隊遺聞』(集英社文庫)、『「青鞜」の冒険』(集英社文庫、紫式部文学賞受賞)、『暗い時代の人々』(亜紀書房)、『「谷根千」地図で時間旅行』(晶文社)、『子規の音』(新潮文庫)などを送り出している。近著に『用事のない旅』『会いにゆく旅』(産業編集センター)がある。

 

『谷根千のイロハ』の紹介ページを見る

https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=941&ct=18

 

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Text:TRAQ JOURNAL編集部

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